民法改正が大家さんに与える影響まとめ

こんばんは。久保寺優介です!

私は不動産投資と不動産管理業もしているのですが、興味事として民法改正案が5月26日に参院を通過して6月2日に公布されたことがあります。

施行自体は2019年の秋か2020年春ごろと言われていますので、まだ先ですが、賃貸経営に与える影響は小さくありません。

そこで今回は、『民法改正が大家さんに与える影響』をまとめます。

今回の民法改正は120年ぶりで改正項目は200にも及ぶそうです。

民法の全部が施行されたのは1898年(明治32年)ですが、この年には、勝海舟が77歳で亡くなり、不動産登記法が公布、ビヤホールが初めて世に出て、年賀郵便の特別扱いが始まるなどの出来事がありました。

その翌年には北京に義和団が蜂起して清国の滅亡が始まるという、歴史教科書のような時代です。

そこからも、かなり古い法律だということが判って頂けるかと思います。

その民法の改正が賃貸経営に及ぼす影響は2つあると考えています!

1,敷金と原状回復について明記されたこと

2,個人保証について制約が加わったこと

この2つです。順を追ってご説明します。

1.敷金と原状回復について

敷金について改正民法では次のように定義しました。

賃貸借契約が終了し明け渡しを受けた時、家主は敷金から賃借人の債務を差し引いた額を賃借人に返還しなければならない。

そして、原状回復についても以下のように明文化されました。

賃借人は通常損耗(通常の使用によって生じた傷みや経年劣化)については原状回復義務を負わないこと。

これを読むと『当たり前の事が書いてある』と思いますが、この法律が制定された当時の日本は日清戦争の戦勝気分で地方から都会に人口が流入して、家賃の値上がりが起こったころです。

数年後には日露戦争が起こり、さらに戦勝気分に国民が湧く時代です。

大家さんの立場が店子に対して圧倒的に強い環境ですから、当時の日本には民法に敷金や原状回復義務について明記することは求められていなかったのです。

その傾向は昭和50年ごろまで続き、国交省(当時は建設相)の『原状回復のガイドライン』が発表され、東京ルールが施行されて全国に敷金返還請求の訴訟が起こりました。

私自身も管理しているマンションで訴訟になったケースもあります。

折から賃貸借契約の主導権が貸主から借主へと移動する事態となり、その過程で敷金と原状回復についての概念が現在のように落ち着いたのです。

今回の改正民法は、これを追随して明文化しただけなので、今後の賃貸借契約への影響はほとんどないと思います。

ただ、この改正が施行される頃にマスコミが『敷金は全額が返ってくる』『敷金を返さない悪徳大家』みたいな誤った解説を流す番組があるのではないかと思いますので、騒がしくなる現場への対応が必要になることと思います。

また、民法に明文化されたと言って、ルームクリーニング費用や畳の表替え費用を借主に負担させる特約が無効になる訳ではありません。裁判になったときの裁判官の判断に影響があるかもしれませんが、契約自由の原則は生きていますので、新規のお客様や既存の入居者さんにも誤解のないように説明する必要があるかと思います。

2.個人の保証人の制限について

こちらの改正は敷金と較べると、大家さんや管理会社への影響が少なからずある内容になっています。

詳細は以下の通りです。

賃貸借契約で個人の保証人をとる時は、保証人に対して、保証人がこの契約期間に負う保証額の限度を定めて契約書に明記しなければならない。

これを『極度額』と言います。

たとえば、大家さんとしては、悪質な滞納借主を入居させてしまったとき、裁判などで1年以上の家賃が滞るリスクがあります。

そのため最低でも、極度額は家賃の1年か2年分は望みたいと考えるのが普通だと思いますが・・・

2年分とすると家賃が6万円なら144万円、家賃が10万円だと240万円になります。

この額を見た保証人さんはビックリしてビビってしまうかもしれませんね・・・

私だったら断ります。

さらに大家さんが保証してほしいのは家賃だけでなく、残置物処理代、借主が原因による火災の損害、借主が起こした物件内での事故(自殺など)の損害等があります。

これらを含めたら4年分5年分となってしまい、その合計額を示されたら、保証人を引き受ける人は少数に限られるでしょう。

大家さんとしては極度額を高く設定したいが、高くすると個人の連帯保証人が承諾しない、ということになるので、極度額の設定判断が重要になるのは間違いありません。

さらに店舗や事務所などの事業用賃貸借契約では以下の義務が加わりました。

借主は個人の保証人に対して、自身の財産状況を説明しなければならない。

基本的には借主と個人保証人は知人ではありますが、詳しい財産状況までは知らないでしょうから、負債と資産のバランスなどを説明して、本当に連帯して保証するかどうかを最終判断してほしい、ということです。

この説明義務を怠ると、万が一、家賃の滞納があっても、保証契約は無効なので請求することができません。

ちなみにアパート、マンションなどの居住用賃貸借契約には、この義務はありません。

ここまで読んで頂くと『保証会社を使った場合はどうなるの?』という疑問が沸くと思います。

実は極度額を明記する義務も、借主が財産状況を説明する義務も、保証人が法人の場合には発生しません。

つまり、保証会社に保証人を依頼する場合は、今回の改正はほとんど影響がないと思われます。

※依頼する難易度が人によって変わるのかもしれませんが・・・

保証会社の利用状況は全国各地でバラつきがありますが、今後はますます保証会社を利用するケースが増えるだろう、というのが業界の声のようです。

 

まとめ

いかがでしょうか?

以上の2つの改正以外にも、賃貸借契約に影響する細かな項目はありますが、それらについては施行が近くなったときに、また記事にしたいと思います。

まずは民法改正が正式に決まって、施行が3年以内であることと、賃貸借契約に少なからず影響が出ることを家主さんたちは承知しておかなければならないと思います。

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